江戸時代の教育-1 江戸の教育制度

学校制度を考える上ばかりでなく、明治維新から今日に至るまでの日本の発展を考える上で、江戸時代の教育制度は実に興味深いものがあります。
教育制度といっても幕府が決めた制度などはなく、全く個人に任せられていたらしいのです。もちろん各藩や徳川幕府は、それぞれお抱えの武士の子弟の教育には心を配り、独自の学校や制度も設けていたと思います。しかし庶民にいたっては全くの野放しであり、親任せであったのです。それにもかかわらず、江戸の識字率は圧倒的な数値で世界一だったのです。1850年ごろの農村部も含めた江戸庶民全体の識字率は70~80%の中ごろだそうで、読み書きできない庶民の話しは、あまり耳にしません。間口1間半の長屋暮らしの子供であっても、ほとんど全員が手習い師匠のもとには通ったのではないかと思います。

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一方イギリスの同時代は20%台だったようで、ヨーロッパで最も進んだイギリスでさえその程度だったとしたら、他の国はおそらくそれ以下だったと推測されます。幕末に江戸を訪れた欧米人が、雇い主の子供を背負いながら本を読みふけっている幼い女の子を見て、仰天したという話を読んだ事があります。年端もいかないうちから子守として働かされている子供が字を読む事ができるということは、外国ではありえないことだからです。お仕着せの制度がなくても、広く教育が普及していたことは、今の時代と合わせてみると、考え深いものがあります。江戸時代の高い識字率が、その後の急速な近代化に寄与したに違いありません。

参考:雑学『大江戸庶民事情』 石川英輔著 講談社文庫

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カテゴリー: 教育の歴史   パーマリンク

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